屋久島 2001.7.27〜8.3 :4回目の訪問

●4日目と5日目です



【7月31日晴:休息日 - 島内観光】
8時頃目を覚まし、朝食の合図があるまでゴロゴロする。今日はドライブがメインである。
11時頃やっと民宿を出る。
11時20分楠川歩道入口の休憩舎「岳参りお休み処」に寄る。
なぜか隣には、ちょっと足が長いドラえもんの像が立っている。
「岳参りお休み処」の中は、作られたばかりのように清潔で驚く。トイレもある。
11時40分・宮之浦を通り越して志戸子ガジュマル園へ。
まるで血管のような気根は、ちょっとグロテスクで圧倒される。
シュロの毛にしなやかそうに見えるが、触ってみると、プラスチックのようにカチカチに固い。
12時15分・一湊浜へ。島内でも指折りの海水浴場だそうで、透き通った水が魅力的である。
12時20分・一湊浜近くの、東支那海展望所に着く。
青い空と青い海に挟まれて、口永良部島や黒島、そして硫黄島も良く見える。
硫黄島は噴煙も凄いが、火口から海へ火山灰の帯が見えるのが印象的だった。
12時40分・海亀の産卵地として全国的に有名な永田浜に着く。駐車場はタダでは止められないようなので、海の家に止めてかき氷を食う。
コバルトブルーの海と白い砂浜がやたら眩しい。
12時55分・なぜか海辺に屋久島の山の大型模型が作ってある、公園らしき所に着く。
昨年、作りかけの様子は見たが、仕上げが出来なかった感じで、ところどころ芝が禿げてたり、雑草が生えている。
何があったのだろうか?
でも、荒っぽく作った模型には、花崗岩のトーフ岩やローソク岩なども模してあるのが微笑ましい。
13時27分・西部林道に突入後、屋久島灯台に寄る。いや〜、白いっす。
14時00分・西部林道も奥まり、猿や鹿がやたら出没する。明るい森の中に入ったと思えば、海岸の断崖に出たりして西部林道は面白い。
14時20分・西部林道を抜けて大川の滝に到着。落差80m、
辺り一面に霧吹きを吹いたような水飛沫が漂い、凄い迫力である。
普段着のまま、エメラルドグリーンの滝壷で気持ち良さそうに泳いでいる人もいる。
滝壷のそばには、地元の老夫婦が涼みに来ている。これでも今日は水量が少ないのだそうだ。
ちょっと気になった事:屋久島では「おおこのたき」というそうだが、
この老夫婦は「おおかわにたき」と呼んでいた。
そういえば、地名を彫った御影石があちこちに設置されているが、
「原(はるお)」を「HARA」、「淀川(よどごう)」を「YODOGAWA」と明記してあった
(その事をタクシーの運転手に話したら、驚いていた)。
統一性が無いのか?屋久杉ランドのランドは「LANDO」であった。英語なら語尾の「O」は要らないし、
ローマ字なら頭文字は「R」ではないか?
良く解らん。
15時00分・栗生の集落に着く。道路沿いにガジュマルがあちこちに茂っている。
その木陰では、縁台がごく自然に置いてあり、お爺さんが団扇を片手に昼寝をしていた。
海側にはマングローブもあるそうだが、これはどこか解らなかった。
15時20分・湯泊に着く。椋鳩十文学碑の広場に車を止め、海岸温泉へ。
四角い湯船には誰も居なかったが、相変わらずぬるめのお湯なので、見るだけで車へ戻る。
集落のアスファルト製の急坂には、海岸から数十m離れているに関わらず、赤い蟹が沢山いた。
ガジュマルの日陰と湿った風が良かったのか。
16時10分・閉館の時間になる前にと、一旦、安房の屋久杉自然館へ直行する。
展示物の杉木材やウィルソン株の再現CGも見事だが、
賑やかだった頃の小杉谷集落の映像の数々が、とても印象的だった。
以前にもこの展示館に来た事があったが、まだ実際の小杉谷集落跡へは行く前だったので
特に何も感じなかったが、4度訪れた今は、住んだ事が無いのに妙にノスタルジーな気分になった。
17時45分・再び湯泊方面に向かい、平内海中温泉へ。
しかし、運悪く満潮時で、湯船は海に飲み込まれていた。
まあ、ガイド本なんかに載っている写真は干潮時のものばっかりなので、こんな光景もいいもんだ。
昨年まで紛失していた日よけの藤棚が再建されている。
波打ち際になってしまったコンクリートの脱衣スペースでは、ハゼみたいな魚がぴょこぴょこ跳ねていた。
18時30分・再び民宿銘峰館に戻って今日の活動は終わり。



【8月1日晴:白谷雲水峡】
7時半頃目を覚まし、朝食の合図があるまでゴロゴロする。
今日もほどほどにやる予定なので、食事の合図があるまで、のほほ〜んとしてたら、いつまでたっても合図が無い。
この民宿だけでないかもしれないが、チェックイン時間も無し、チェックアウト時間も無し、
戻ったときに玄関の鍵をに閉めれば深夜外出も自由で、かなりアバウトである。
結局、朝食は11時近くになった(笑)。
食事を済ませてすぐチェックアウトをして、車で移動。
12時00分・平内海中温泉へ着く。時間は干潮もピークを過ぎた辺りで、
昨日に水に沈んでいた湯船は、すっかり姿を見せている。
男が一人、気持ち良さそうに入っている。
女性陣もいたが、水着入浴は禁止なので、湯船に手を漬けて戯れているだけである。
若い女性には申し訳無いが、こんな時羞恥心の無い野郎で良かったと、つくづく思った。
しかし、真夏の露天風呂はひたすら暑かった。
後から入ってきたオニーサンが記念撮影のシャッターを頼んで来たので、
快く引き受けて日向のコンクリートにあがって構えたら、
写真を撮り終える頃には足の裏を火傷してしまった。
湯上り後は、暫く足の裏を冷ます。
14時10分・永久保海岸の枕状溶岩とやらを見に行く。磯にオニギリみたいな紫の岩が転がっていた。
もともと海底噴火の溶岩が、水圧で丸くなったところで冷やされたものが、太平洋プレートに運ばれて陸地に上がって来た物だそうだ。
15時30分・宮之浦集落から車で30分程登った所にある秘境、白谷雲水峡に着く。映画「もののけ姫」の森のモデルになった所である。
「白谷山荘の手前まで行けたらいいや」と思いながら、管理棟で環境整備推進協力金を払っていると、
受付の人は「更に上の辻峠近くには、奥岳が一望できるポイントがありますよ」と言いながら、そのパノラマ写真まで持ち出してきた。
「しまった、そんなの知らなかった」と思うも、そこまで行ったら完全に日が暮れるので諦める。
どうも最近出来たスポットらしい。当初の計画通り2時間半の「原生林コース」を辿る。
「憩いの大岩」や「飛流おとし」を通りすぎ、
「二代杉」、「三本足杉」、「三本槍杉」、「奉行杉」、「二代くぐり杉」、鹿達と会う。
苔で覆われて緑一面になった森の姿には圧倒される。
晴れているのが仇となって、青海苔をまぶしたように見えてしまうが、
小雨でしっとりと濡れていたなら息を呑むような光景だったろう。
大木も、ただ太っているだけでなくて、人が中で暮らせるような室が、ぽっかり空いているのが多かった。
二代くぐり杉に着いた時には17時40分になっていた。程なく楠川歩道の分岐点に着く。
ここから先は、2年前の縦走時に通ったので足早に楠川歩道を下山。
一帯の登山道は、安房トロッコが出来る前の人馬を使っての搬送道だったそうだが、
地面に敷き詰めてある岩が、細い河原のようで良く自然に溶け込んでいる。
18時10分・白谷雲水峡の入口へ戻る。
19時00分・宮之浦の民宿ゆうゆうに着く。ペンションみたいな外観の民宿で、
一枚板のテーブルがある吹きぬけの食堂や、岩風呂、コミュニケーションスペースなどあって面白い造りの建物だった。
御主人も楽しんでいるらしく、会う人会う人に明日の計画を聞いて、ちょっとでも分らなそうな事があったら、
事細かに情報提供している。なかなか気さくで遊び心が分かるご主人であった。



もう一息つづく