雲仙 2003.10.7〜8:(3度目の訪問、初めての登頂)

【10/7曇時々雨:雲仙(池ノ原園地〜仁田峠〜普賢岳〜仁田峠〜国見岳〜仁田峠〜池ノ原園地)


朝5時、愛車で太宰府I.C.入り。8時半に、雲仙ゴルフ場裏の池ノ原園地駐車場に到着。
(駐車場入口には「駐車場」としか書いてないので、ここがそこなのか解らず、ちょっと困った)
広い駐車場には、ワシの他に、入口すぐ横に隠れるように1台泊まっているだけだったが、
やがてその車も出て行って一人になった。
辺りはカラスが群れていて異様な雰囲気。
降水確率は10に近い20%という事。時々セミのオシッコ程度の雨粒も飛んできて、
一触即発な雲行きに心配しながらも身支度。
暫くすると、さっきとは別の車が1台やってきたが、また同じ入口すぐ横に隠れるように止まった。なぜだ?
ワシの長い身支度が終わっても、運転者はイスを倒さずじっと座ったまま。
車上狙いだとイヤなので、風景をとる振りをしながら、ばっちり相手の車も撮影。
(結局、ただの疲れたドライバーだったようでした。)
後ろ髪を引かれながら、駐車場を発つ。
ややきついアスファルト林道の横は"子供広場"、"休憩広場"、"芝生広場"などのレクリエーション場になって、多少手入れされているようだったが、なぜか"冒険広場"だけは草ボウボウだった。
暫く歩くと『この付近一帯の広場は昭和46年に開かれた第13回国立公園大会の主会場になった所です』と書いた案内板がある。
「この手狭な広場で行われた"国立公園大会"とは、一体なんぞや?」と頭の上にハテナマークが3つ位くるくる回る状況になったが、その答えは一切書かれて無かった。
やがてアスファルトも途切れ、砂利を敷いた階段状に道になる。
登り始めて27分、道端に2羽のカラスの死体が転がっている。ゲッ!
そばには電信柱があり、変圧器で感電したようだ。
「いくら害鳥でも、気の毒だのぅ」、
「そういえば、『都会のカラスの死体はなぜ見つからないのか』を論じた本があったなぁ」、
「裏庭には二羽、庭には二羽、ニワトリがいる」、
とか色々考えながら通り過ぎると、すぐに視界が開けて仁田峠に着いた。
小学校の修学旅行で来たことがある思い出の地だ。
登山スタイルのままで、ちょっと後ろめたい気分になりながらもロープウェイに乗車。
でも、いいねえ、コレ。
妙見駅に着いても、心配した雨も降ること無く、視界良好。
ふと下を見ると、池ノ原駐車場にワシの愛車とあのもう一台の車が見える。
暫く写真を取り捲って、登山再開。5分程で妙見神社に着く。
神社の裏が妙見岳山頂のようだが、崩壊しているのか侵入禁止になっている。
妙見神社から左に反れて、平成新山をちらちら見ながら雲仙岳カルデラの尾根を歩く。
道は狭いが、綺麗に整備されていて歩きやすい。
12分後国見岳分岐に着く。国見岳に食指をそそられながらも、そのまま前進。
更に12分後、紅葉茶屋に着く。ちょっと小腹が空いてきた。
「休憩小屋は無いけど、『茶屋』というからには、ベンチ位ありそうだな」と思って
たら、2畳位の小さな広場にそれらしき物がある。
「やった!」と思って座りに行こうとすると、それは長ーい杭が2本転がってるだけだった。
仕方が無いので立ったままゼリー食を食べて登山再開。ここから急坂だが、割と楽だった。
25分後に普賢岳山頂到着。
妙見駅から誰にも会わなかったが、山頂横にご老人が3人、昼食を取っていてホッとする。
300m目の前に迫った平成新山がすごい迫力。風は強く、ちょっと肌寒い。
プリンをつぶしたような山体の中央にはカメノテのような突起があり、その周りからモワモワ蒸気が上がっている。
これだけ近くにありながらも、普賢岳山頂は噴火のダメージを全く受けて無いのは不思議な感じだった。
「平成新山もすごいけど、その下に埋もれてしまった、普賢池・普賢神社・風穴・鳩穴の方が見たかったなぁ。」
そう考えると平成新山が土まんじゅうに、普賢岳山頂標が墓石に見えてしまって、ちょっとセンチになってしまった。
気を取り直して昼食。
さっきのご老人と入れ替わりで、大学生らしい3人組が到着。なかなか賑やかだ。
ちょっと羨ましくなり、会社も昼休みに入った事なので、状況確認を兼ねて同僚に電話。平成新山の実況中継をする。
電話も終わり、大学3人組に別れを告げて、山頂を後にする。
山頂の高台を下りたところに煙突のような3m位の塔がある。
誰かガスに巻かれて亡くなったのか?ロープウェイが無い頃に遭難して亡くなったのか?
さっきから気になってたので確認しに行くと、何と、大正14年の秩父宮殿下御登山記念碑だった。
大きく亀裂が入っているものの銅で出来ているようで、崩壊している高台の中でしっかり立っていた。
記念碑の周りは木が疎らに生えた草原で、かつての普賢神社へ続く道がまっすぐ続いている。
今はその道の延長上に平成新山が構えており、立ち入り禁止の柵が立てられてる。
状況を確認したところで、紅葉茶屋まで12分で一気に下る。
今度は妙見神社方面へ戻らず、その先の「仁田峠方面」へ行ってみる。
更にぐんぐん下りと道も緩やかになり、あざみ谷に出る。
森の中の広場で、ベンチが8個ありちょっとした集会ができそうだ。
隅の方には鳥居が3基立っており、鳥居から外れたらしい"普賢神社"の表札がその根元に立てかけてあった。
もちろんその先には、立ち入り禁止の柵が掛けられている。
あざみ谷を後にして15分進むと、仁田峠駅の普賢神社仮拝殿に出た。
紅葉茶屋からあっけなく着いたので、国見岳にも登ろうかしばし悩む。
案内板によると、国見岳分岐から登り25分・下り15分とある。
10分位悩むが、色々含めると下山は16時過ぎ・・・これなら行ける!
という事で、再びロープウェイへ(笑)。心なしかキップもぎりのニイチャンが怪訝そうな顔で見ている。
妙見駅に着いた後、一旦展望所へ寄って、妙見神社、雲仙岳カルデラの尾根を通り国見岳分岐へ。
ちょっと森を抜けると、視界が開けて目の前に国見岳がどどーんと構え圧倒される。
山容は似ているが、森の中を登る普賢岳と違ってこちらは剥き出しの登山道を登り、途中ロープを使う岩場もある。
岩場の取付には、位牌のような板に『最近これより先で滑落事故が発生しています』との警告文が書かれている。
急な岩場におっかなびっくりするが、
「最近っていつだよ〜?そういえば『昨日ここで交通事故発生!』って警告板がいつも道端に立ってるのがあるなぁ〜。ありゃ毎日交通事故が発生しているって事で、大変な事だぞ!」とアホな事考えながら登る。
岩場を抜け、茂みの中を通るとあっけなく山頂に着いた。国見岳分岐から10分。
案内板には25分とあったぞ。うそつき。
山頂は狭いが展望は360度。海の向こうの山々も良く見える
山頂には大岩があって『チエ子 34.1.4』と深く掘ってある。うひょー、1959年の彫
り物がまだしっかり残っている。チエ子さんも大喜びだな。
普賢岳の尾根の上に平成新山の姿があったが、角度が違うのに、普賢岳の山頂から見
た姿とほとんど変わりが無いのは以外だった。
ただ平成新山山頂の突起は、カメノテから正三角形に見える。
昼食のパンの残りを食べた後、山頂に捨てられていたカッブうどんの空き容器を呆れながら拾って下山へ。
山頂から国見岳分岐まで10分。妙見神社を通り、ロープウェイを横目で見ながら仁田峠へ。
途中、ヒモが付いていない短足イヌがじゃれついて来た。
イヌが可愛くて注意するタイミングを逸したが、飛び掛ってくる瞬間、飼い主は声を掛けるだけ。コラコラ。
仁田峠を過ぎ、そのまま23分下って駐車場に到着。
下山後は雲仙の宿へ。久々の温泉は格別だった。

翌日は旧大野木場小学校跡・大野木場砂防みらい館・
土石流被災家屋保存公園・雲仙岳災害記念館・まゆやまロードで平成新山の調査。
ついでに、武家屋敷水路と鯉の泳ぐまちへ。
勉強になりました。



長文でしたが、以下コースタイムです。

●10月7日曇(妙見岳・普賢岳・国見岳)
9:32池ノ原園地駐車場→9:47四合目(標高970m)→10:00仁田峠
→10:10仁田峠駅→(ロープウェイ)→10:14妙見駅(10分休憩)
→10:32妙見神社→10:47国見岳分岐→10:59紅葉茶屋→11:26普賢岳山頂(50分休憩)
→12:26紅葉茶屋→12:40あざみ谷→13:02仁田峠
→13:22仁田峠駅→(ロープウェイ)→13:26妙見駅→13:27妙見展望所分岐
→13:28妙見展望所(4分休憩)→13:33妙見展望所分岐
→13:46国見岳分岐→13:56国見岳山頂(15分休憩)→14:20国見岳分岐
→14:27九千部岳分岐→14:33妙見神社
→14:40妙見駅→(徒歩)→14:59仁田峠駅
→15:16三合目(標高920m)→15:24池ノ原園地駐車場



(このレポートは、2003年10月13日にメーリングリスト「山ネット九州」に投稿したものです。)