屋久島 2005.7.30〜8.5 :11回目の訪問

●4日目から7日目までです。


【8/2晴:安房川遡行、トンゴ滝ピストン】
本日は今回の旅行のメイン、「目指せトンゴ滝!3度目の正直」大作戦だ。昨年末は安房川の両岸を歩き回ったが、全然見えず、今年GWはカヤックで攻めて松峯大橋近くの段差で断念。沢に浸かっても平気なこの時期、いよいよ悲願達成のチャンスがやってきた。
まずは、宮之浦の宿から安房川へ向かい、ゴールデンウィークにB○Kさんから教わった場所に駐車して準備作業。木陰に入って荷物をまとめるが、朝も遅くなるとたまらなく暑い。すぐ横の家は改築を行っているようだが、トンカン音に混じって師弟小競り合い(駄目っぷりを注意する師匠とふて腐れて反抗する弟子)が賑やかだ。
10:42一通り荷物が揃ったところで、船着場に荷物を運び、カンカン照りの日差しの中大汗をかきながらカヤックに空気注入。11:13やっとこさ空気注入も終わり、ライフジャケットとヘルメットを装着して出艇。時々ぷかぷか川と戯れながらも、中州や砂丘に上がって休んでいるツアーを尻目に一路松峯大橋先の段差へ。

12:09松峯大橋先の段差に到着。川岸の岩場に生えている木にカヤックのロープを引っ掛けて、ひとまず昼食をとる。 メニューは、宮之浦のスーパーで買ったフルーツブレッドとジェットパンだ。 後者は、ただのピーナッツクリームが入ったコッペパンだが、名前のインパクトに釣られて買ったのは言うまでも無い。 パッケージにはわざわざ「JET BREAD」との英名と、'50年代SF映画に出てくるような超音速機のイラストが描かれている。 食ってみると、やっぱり普通のピーナッツバターパンだった。やるじゃないのイ○ダパン。 ペット緑茶で締めたところで、沢登り開始。まずは左岸から攻めていって、陸が無くなったところで右岸へ渡る。 12:37右岸も行き着いて両岸が切れたった淵に到着。淵に落ちていた小滝は干上がっている。 GWはここで泣く泣く引き返したが、今日は違うぞ。サワシューズから足ヒレに履き替え泳ぎ開始。岸から離れると淵はどす黒い緑になって、何とも不気味。 12:51ザラ瀬に上陸。サワシューズに履き替えてゴロゴロした岩の上を歩く。
12:582度目の淵。足ヒレに履き替えて泳ぐ。13:16今度は段差に到着。一旦サワシューズに履き替えて腰くらいの高さの滝を乗り越え、再び足ヒレに履き替えて泳ぐ。13:31またザラ瀬に上陸。サワシューズに履き替えて歩く。
13:42
3度目の淵。淵の先は行き止まりになり、左の一枚岩の影に折れているようだ。ドドドドという轟音聞こえてくるため滝が近い事が分かり、否応無くも興奮してきた。
12:43淵の左岸にある岩場へ一旦泳ぎ、決定的瞬間を前に一休み。ドキドキしながら左岸に沿って泳ぐと、キタ━━(゜∀゜)━━!!。 黒いホルンフェルスの一枚岩の向こうに、ジュラシック・パークに出てきそうな秘境っぽい姿のトンゴ滝が見える。 ホルンフェルスの一枚岩はゆるい斜面になっていて、表面が滑らかで登りやすい。
13:56一枚岩を超えたところはもう滝壷になっていて、もうトンゴ滝を遮るものはない。 滝頭の向こうは白い花崗岩が見えるのだが、滝は全体が黒いホルンフェルスで出来ていて、所々花崗岩の地層が斜めのストライプとしてくっきり入っている。
14:07十分滝に見惚れたところで、滝壷に入ってみることにする。滝壷は直径30〜40m位あるような丸い淵で穏やかなのだが、 今乗っている左岸にあたる一枚岩と右岸の間は1〜2m程度の狭い谷間になっていて、ここだけ川の流れが急になっているので注意が必要だ。 足ヒレに履き替えて、水流の影響が少ないところから入水する。
14:18トンゴ滝の直下に到着。水しぶきが激しくて近寄る事ができないが、目前のホルンフェルスの黒い絶壁と滝の迫力に圧倒される。暫く滝壷で漂って滝壷の周りや水中(緑色の水しか写ってなかった)を撮影してまたーりする。
14:31来た時のホルンフェルスの一枚岩を越えて、再び下流の淵へ。 ジュラシック・パークなトンゴ滝に何度もお礼を言った後、川を下り始める。水に逆らわないので、いやー楽だ。サワシューズに履き替えるのも面倒くさくなったので、 ザラ瀬に来てもわざわざ深いところを狙って泳ぐ。最後は泳ぐ事も出来ない位浅くなったので、そのまま這って歩く。 オオサンショウウオの気持ちが分かったような気がした。
15:30カヤックを留めていた所に到着。近くにはカヤックツアーの団体が居たけど、 オオサンショウオのようにぬうっと上流から現れたワシに対してノーリアクションなのがちょっと寂しい。行きがけに陸揚げしていたカヤックを見ると、完全に着水してプカプカ浮いている。 スゲエや、満ち潮の影響が海から2km離れたこんな所まで来ている。カヤックを更に陸揚げした後は、シュノーケリングを楽しむ。 ハゼっぽい魚がカワイイ。ツアー団体はそのうち帰ってしまい、貸切状態。ウハウハ。
16:16カヤックに乗り込み余韻に浸りながら帰路に向かう。途中に謎の沈没船があるそうだが、何度探しても見つからないので諦める。
17:30安房の船着場に到着。1時間ほど汗だくになりながら後片付けや着替えを終わらせ、宮之浦の宿へ戻る。 またもやボヘミアンFちゃん主催の酒宴で、夜も更けていく。




【8/3晴:休息日(落滝、お谷ヶ滝の偵察)】
屋久島フェチのAさんからリクエスト受けた、落滝(おとすのたき)とお谷ヶ滝を偵察に行く事にする。
どちらもマイナーな滝で文献がほとんど無く、情報収集に苦労したが、とりあえずは前者は小瀬田の空港南端から集落の奥へ、後者は栗生の小楊子林道を進めば何とかなるかもしれない、という結論に達した。有名ラーメン屋が開店する頃を見計らって11時に愛車で宿を出て、遅めの朝食をとったところで空港へ。滑走路の南端にあたるところから山側の集落に入るが、ちょっと道が狭い。そのうち集落を過ぎると、アスファルト舗装はされているものの両側からイバラっぽいのやススキっぽい草が攻めてくる道に変わりだした。「キュー!」うひゃあ、折れた枝が愛車を撫でて嫌な音を立てだした。とりあえずコンパウンドで修復できるかすり傷なのでほっとしたが、これ以上は危険だ(愛車にとって)。バックして手ごろなスペースに駐車スペースに泊めて、徒歩で歩く事にする。暫く歩くと坂も緩やかになり、視界が急に開けだした。すると向かいの山の下の方に小さな白い筋が見えた。おお、あれに違いない。すぐに舗装道は行き止まり、ブッシュ化した林道になったので、引き返す事にする。とりあえず課題1クリア。
栗生に向かう途中、屋久杉自然館で「森林軌道50年史展」をやっていると言うので、寄り道する事にする。トロッコ全盛期の記録と写真が大量に展示されいたので大満足。ついでに、後日の探検の参考にと、滝や沢登りの映像を繰り返し見ているうちに2時間が過ぎてしまった。
16時半すぎ栗生に到着。栗生橋から小楊子林道に入り、まずはちょっと奥の小楊子川橋へ。お谷ヶ滝を本で調べた時、「地元住民に愛されている」と書かれてあったので、簡単に見れるかなと思ってたけど、う〜ん、川の先がカーブして滝は見えない。どうでもいいけど、ポンカン畑の猿避けらしく、あちこちに無人犬小屋(?)があり、ワンワン言ってこっちを誘っている。ふと後ろを見るとハイエナのような子犬が車道を横切っていった。
仕方が無い。お谷ヶ滝は小楊子林道の車止めゲートそばにあるようなので、そっちに向かう事にする。ダート道に変わるところにちょうどいい広場があるので、そこに車を泊めて歩きだす。道は緩やかだが、西日が照ってかなり暑い。20分ほど歩くと滝音も大きくなり、登山届ポストっぽいものと林業作業中のノボリがあった。「ゲート、まだかなぁ」と思いながら10分程歩くと、北上していた道が東にカーブしだして川が離れていってしまった。ああっ、さっきのノボリがあったところがゲート(跡)じゃないか。とにかく引き返して、横の斜面を登ったり、林の間を透かしてみたりするが、ゲート(跡)をうろうろするが、音ばかりで森の奥にある滝はさっぱり見えない。林道が暗くなり始めたので、「やっぱり、沢登りしないと見れないのかなぁ〜」と思いながら引き返す事にする。課題2の収穫は林の間からみた滝っぽい写真だけだった。ぐっすし。
宿に戻ると、ボヘミアンFちゃんとその仲間は他の宿に移って行ったため、本日の酒宴は無し。夜は、残った3人程の宿泊客と静かに語り合った。




【8/4晴:休息日(屋久島半周ドライブ)】
本日は宿を移る日。大荷物をまとめてチェックアウトしたところで、文化村センターに映画『屋久島〜森と水のシンフォニー』を観に行く。開演までちょっと時間があるので、喫茶店に入りウインナコーヒーを注文する。コーヒーを待っている間に、そこらにあった屋久島本を読んでいると、有名カメラマンの作品に昨日見れなかったお谷ヶ滝の姿がある。他の写真はポピュラーな風景だけだし、このカメラマンは危険は冒さないタイプだ。「ピキーン!(ひらめきの音)」沢登りをお谷ヶ滝へ行く道は必ずある!次回の上陸時はリターンマッチだ!
ともかく、コーヒーを飲んで、映画を観て、腹が減ったので同じ喫茶店で飯食って、13時すぎに文化村センターを出る。
時計回りに周り、安房で松峯大橋から眺めとトロッコ基地を楽しんで、また反時計回りに周り、志戸子のガジュマル園とその豪華なトイレを堪能し、海を眺めながら永田のなじみの宿へ。チェックインを済ませ、夕闇の中、綺麗な生活廃水路に住むサワガニや、大きく広がる稲刈り後の田んぼの農作業風景や、なぜかそこにあるヒワマリ畑や、夕日に染まる永田川に酔いしれる。相変わらずええ所や、永田。




【8/5晴:屋久島発、福岡へ(屋久島3/4周ドライブ)】
またまた大荷物をまとめてチェックアウトした後は、港へわざわざ反対方向に回って、今回の旅行でまだ行けてなかった環状道路を見る事にする。
西部林道を抜けてピラミダルな立神岩を撮影して(東映マークみたいにカッコよく撮れた)、はたまた原の橋の上からトローキ滝の滝頭を撮影し、宮之浦の白谷川にかかる通称猿鹿橋のヘルメットを被らされた猿の銅像を撮影し、無事上船しましたとさ。はあはあ、ぜいぜい。
愛車は最上階のデッキに泊める事になったけど、鹿児島南埠頭港に付いた時に接岸ロープを銛撃ち銃のようなもので発射している様子を見れたのは貴重な体験だった。
あとは、九州自動車道を一路、福岡へ。







最後に、今回の屋久島紀行の反省。

【今回達成できた目標】
@トンゴ滝の丸見え激写
A鹿之沢日帰り山行
B落滝の撮影

【今回達成できなかった目標】
@お谷ヶ滝の激写
A翁岳山頂直下までの登山
B晴れたモッチョム岳からの眺め撮影
C晴れた太忠岳からの眺め撮影。
Dグラスボート乗船(笑)

と言う訳で、また行きます。



長文でしたが、以下コースタイム(と言うか山行記録)です。

●7月31日(鹿之沢 ピストン)
3:55 淀川登山口→4:32淀川小屋→5:29高盤岳展望台
→5:48小花之江河→6:00花之江河(3分休憩)→6:25黒味岳分岐
→7:01投石平→7:41翁岳分岐→8:16宮之浦岳山頂(10分休憩)
→8:41焼野三叉路→9:17永田岳の取り付き(12分休憩)→9:56永田岳山頂横の峠
→10:34鹿之沢小屋(15分休憩)→11:51永田岳山頂→
→12:15永田岳の取り付き(5分休憩)→12:51焼野三叉路→13:18宮之浦岳山頂
→13:58翁岳分岐→14:48投石岩屋(5分休憩)→15:14黒味岳分岐
→15:27花之江河(5分休憩)→15:37小花之江河
→16:40淀川歩道橋→17:32淀川登山口

●8月2日(安房川トンゴ滝 ピストン)
11:13 カヤックで安房川船着場出艇→12:09松峯大橋下のカヤック終点(20分休憩)
→12:37安房川歩行可能終点、水泳開始→12:51一回目のザラ瀬、徒歩開始
→12:58ザラ瀬終点、水泳開始→13:16段差→13:31二度目のザラ瀬、徒歩開始
→13:42ザラ瀬終点、水泳開始→13:56トンゴ滝(24分滝壷遊び)
→14:31引き返して水泳開始→15:30カヤック停留場所(46分シュノーケリング)
→17:30カヤックで安房川船着場到着