屋久島 2001.7.27〜8.3 :4回目の訪問

●3日目です



【7月30日晴時々雨:鹿之沢→永田岳→縄文杉→トロッコ道→荒川口】
5時50分お隣さんの起床のついでに起きる。フリーズドライ赤飯とカップスープで朝食。
粕屋三人衆から緑茶のお裾分けを貰う。
「お茶っ葉まで用意するとは凄いですね〜」と感心してたら、「登る前に泊まったホテルから取って来ました(笑)」。
ま、何はともあれ、朝の山奥で飲む名水緑茶は、すごく美味かった。
7時頃になると、粕屋三人衆は「つぼやんも宮之浦岳に寄って来ましょうよ」と言い残して、永田岳方面へ向かっていった。
縄文杉〜荒川口へ降りるのに、もう一度宮之浦岳山頂へ寄り道して行くそうだ。自分は宮之浦岳に寄る気力はもう無い。
まだ気分が良くないから、しばらくだらだらする。
8時30分・ようやく重い腰を上げて、永田岳山頂越えに向かう。
驚きまくるのは前日に済ませたが、やっぱり歩きにくい登山道である。
ロープを手繰ったり、ササを手繰ったり、岩を這い上がったりで、
9時15分・やっと森林地帯を抜け出る。熱中症の身に、日差しが辛い。
9時21分・ローソク岩展望台へ到着。好天の中のローソク岩も素晴らしいが、
ここから眺める永田浜は、飛行機から眺めた滑走路みたいで面白い光景である。
10時20分頃・永田岳山頂は間近だが、シャリバテが起こりかけているので、早めの昼食。
道の窪みの影にもぐり込み、ナポリタンスパゲティを食べる。
10時55分・永田岳山頂横の峠に達する。荷物をデポして山頂へ。
体調が良くないので、携帯電話で今夜の宿に21時頃になりそうと告げる。
さすがに海岸が見える所では、奥岳と言えども電波バッチリだ。
(三大登山口の荒川登山口、淀川登山口、白川雲水峡口は全く携帯電話が使えないので御注意。)
11時02分・永田岳山頂標の前に立つ。前回初めて登ったときは、山頂横の絶壁の高度感でめまいがして
山頂標まで辿り着けなかったけど、こうして立ってみると何でもなかった。
11時10分・デポ地に戻り、焼野三叉路方面へ。
ヤクザサ帯は歩きにくい上、灼熱の太陽がけっこう辛い。時々谷間から霧が押し寄せて来るが、嫌なガスもこの時有り難かった事は無い。
12時32分・ふらふらになりながら焼野三叉路へ到着。でも、ここから先は歩き易い道である。
12時50分・平石へ到着。向こうに平石岩屋が見えるが、
相変わらずハカイダー(c.石ノ森章太郎)の顔に見える。
13時07分・平石岩屋に到着。昼食にしようとするが、水が足りないので
新高塚小屋まで我慢する事にする。
13時50分・第二展望台近くの広場で休憩。
4年前ここに来たときは、鹿がこちらに構わず葉っぱをモソモソ食ってた場所だったが、
今回も茂みに隠れてモソモソしている。
先ほどからチラチラしていたガスが濃くなってくる。
14時02分・第二展望台に着くが、辺りはガスが酷く景色は良くない。ついに雨が降り出した。
嫌な雨だけど、熱中症にかかった身には有り難い。足取りが急に軽くなる。
第一展望台を過ぎたあと、14時40分頃・新高塚小屋に前に到着。
過去に2度トイレ行方不明者が出た、曰く付きの小屋である。(4年前泊まった時は、捜索隊が同室でした。)
昨年には小屋から直線上にトイレを移動させた上で、蛍光リボンで小屋とトイレを結んであったが、
今年はグレードアップして、辺り一帯は木道デッキ化されてある。
まあ、ちょっと雨が降ると辺り一面田んぼ状態だったので、小屋やテント泊には実に有り難い改造である。
ちょっと寄っていきたいけど、時間が無いので下山道へ直行。
15時30分・誰も居ない旧高塚小屋で小休止。飲料水が無くなったので補給する。
ゆったりする余裕も無いので、棒ラーメンを生でかじってみたが、ガシガシして食えたものでは無かった。
暫くすると、体育界系の女性が1人と、お年寄りの団体が2人入ってきた。
15時50分・体も冷えてきたので小屋を発つ。小屋の横の峠を越えると、さっきのお年寄りの団体さんなのか
初老の御夫人が木道の上を、正に這い上がって来ている。
「六十にもなったらもう駄目」とぼやいていたので、昨日の鹿之沢小屋の宿帳を思い出し、
「昨日泊まった山小屋には八十のおじいさんが、これで4度目です、って書いてましたよ」と言うと
「ほな、私も頑張らな」とちょっと元気になったようだ。
15時54分・縄文杉へ到着。いつ見てもすごい風格である。
16時20分頃・雷付きの強い雨が降っている上、飯抜きで下山を急いでいる為、涙を呑みながらも、
夫婦杉は横目で眺めながら足早に通り過ぎた。大王杉は、なぜか気付かなかった。
高塚小屋からウィルソン株までは7割以上が木道化されており、かなり歩き易くなっている。
でも、木道を架けるために、削り取られたり、カスガイを打たれている生木も多く見受けられた。
そもそも木道っていうのは、自然保護のための物。ちょっと情けない気分になった。
17時頃・ウィルソン株で休憩。株の中で名水を飲む。
昨年まで置いてあった水飲み柄杓は、なぜか無くなっていた。
やっと雨も上がってきた。ふらふらの体に鞭を打って歩き出す。翁杉も涙を呑んで横目で通りすぎる。
翁杉を通りすぎると、こんな時間に先方から5人ほどヤンキーっぽい集団がやってくる。
「どこまで?」と聞くと「行ける所まで」と言う。大丈夫かいな、と思いながらも後にする。
まあ、野郎が5人もいれば一晩位どうにかなるでしょう。
17時27分・大株歩道入口に到着。いつもここでトロッコ道が見えたらほっとする。
先は長いけど、平坦な道が続き、日が暮れても絶対に迷うことがないので安心なのだ。
でも、昨年に増しても、線路の土台が削り取られていて痛々しい。
ここから先は、一心不乱に枕木に集中して一人汽車ごっこである。
等間隔に並んでいない枕木は歩き辛いが、登山者が増えたためなのか、敷板が増えていてかなり楽になった。
三代杉も横目に通りすぎる。
18時23分・楠川分れに到着、休憩。
標識には「小杉谷まで約20分。荒川登山口まで約60分」とある。ホントかァ?と思いながら18時30分発つ。
18時50分・ホントに小杉谷集落跡へ着く。
集落跡の景色がなんだか変だ、と思ってたら、小中学校跡周りの潅木が刈取られていてすっきりしている。
おまけに神社の集会所みたいな建物もある(あとで、閉山30周年記念の小杉谷休憩舎だと知った)。
小杉谷集落跡は石塚集落跡と合わせて翌々日位に再来する予定だった(結局行けなかった。涙。)から、
これも横目に集落横の高架鉄橋に突進。
6つばかりの高架鉄橋をこなしたあと、19時30分・荒川登山口へ到着。2日間主の帰りを待っていた愛車の前でへなへなと座り込む。
「昨年も昨日も今日も、熱中症の中、10時間近く結局食事をせずに良くやったなあ」と、我ながらつくづく感心するやら、無謀さに呆れるやら・・・。
辺りがほとんど暗くなってしまったので、さっさと身支度をして、一路今夜の宿(安房の銘峰館)へ。
途中で自動販売機で買ったスポーツドリンクがやたら美味かった。
20時30分頃・銘峰館へ到着。さすがにもうヘロヘロの極致。出された食事は残さないのをモットーにしているが、
熱中症もあって気分が悪く全部食べれなかった。女将さん、すみません。



もっとつづく