屋久島 2005.7.30〜8.5 :11回目の訪問

●初日から3日目までです。(コースタイムはレポート2/2)


【7/30雨時々晴:福岡発、屋久島へ。】
夜中の0:30博多発。残業終えて帰宅して、大汗かいて荷造りをしてたらこんな時間になったのだが、もうお約束となってしまった。
九州自動車道の桜島手前の溝辺PAで4時から仮眠を取る。寝始める頃降り始めた雨はそのうち大雨となり、5時頃から付近に落雷し始めうるさい事この上ない。6:30目覚ましが鳴ったので起き上がると、あたり一面、養魚場でエサの塊を魚の群れががっついているような凄まじい水しぶきっぷり。PAの建物の前には、何故か赤ランプを点灯させたパトカーが横付けして止まっている。寝起きのトイレに行きたいが、相変わらず雷は近くで鳴っているし、傘をさしても役に立たなそうな大雨だし、10分程様子を見るが変化が無いので次の桜島SAで済ませる事にする。パトカーが相変わらず無言で赤ランプを点灯しているのがちょっと気になった。
桜島SAにつく頃には雨も上がり、7時すぎに鹿児島港に着く。近所のガソリンスタンドで給油を頼むが、今回は雨幸いで虫撥ねが無洗車は不要だった。8:35フェリー屋久島2出航。
お気に入りの一等客室でゴロ寝しているうちに、隣に子供連れの夫婦がやってきて、時々こちらを見てにっこり笑っている。何だか見覚えのある人だと気になりながらそのまま昼寝。朦朧とした意識の中でようやく思い出した。ネットでの交流がきっかけでなじみになった、屋久島のイタリア料理屋の店長ご一家ではあ〜りませんか。「こんな所で驚いたでしょ?」と奥さん。そりゃそうだ。厨房で頑張られているイメージばかりなので、盆と正月でもない普通の土曜日の朝に船の客席でくつろがれている姿と連想するのはちょっと難しかったですよ。どうやら里帰りをされていたらしいが、嬉しいハプニングだ。
上陸後は、買い物と昼食を済ませた後、大浦温泉へ。始めはパラパラ降っていた雨も、風呂上り後は大降りになった。休憩室で体を冷ましていると、ダイビングツアーの小団体が居て、ガイドさんが島のローカル情報を話し始めた。一般には知りえない事ばかりでなかなかタメになる。よく見ると、GWのカヤック事情のアドバイスでお世話になったB○Kさんではあ〜りませんか。今回の旅は出だしからして凄いぞー。お互い暫く雨が収まるのを待っていたが、その様子も無く、夕方に小降りになったところで別れを告げる。
さて、明日は鹿之沢日帰りチャレンジで、未明の2時起床するつもりなのでいつもより早めにヤクスギランド線を車で延々登り淀川登山口へ向かうが、結局19:30に到着。雨雲のせいで辺りは既に真っ暗だ。車に簡易ベッド(足板つけただけ)を拵え、本を読んだりしてくつろいで睡魔を誘い、寝た。



【7/31雨:淀川登山口〜鹿之沢、日帰りピストン】
2:00 雨はひとまず上がっているようだ。目覚ましが鳴って目を開けたものの、お腹がゆるくなっているようなので暫く寝たまま回復を待つ事にする。
3:55 体調も登山準備もやっと整い、やっとこさ登山口を出発。辺り一面真っ暗な中、薄霧がかかり、時々ヒキガエルが目の前に現れたりして不気味さを醸し出している。
4:32 淀川小屋。マイクを持ってヒソヒソ声で「オハヨーゴザイマス・・・」と言いたくなる雰囲気だ(こんな番組あったのご存知?)。もちろん中を覗いたりしないが、窓に明かりが全く見えないので、まだ誰も起きていないようだ。
5:29 高盤岳展望台。この頃になると、辺りはようやく明るくなった。
5:48 小花之江河。辺りは程よく水をたたえ、苔むして低木が生えた小島が霧の中でいい感じ出している。
6:00 花之江河。苔の絨毯を小川が縦横無尽に横切り、これまたいい感じ。ブドウパンを2個ほおばる(3分休憩)。
6:25 黒味岳分岐。
7:01 投石平。雨がぱらつきだした。
7:41 翁岳分岐(宮之浦岳への最後の水場)。ちょっと進んだところにある、昨秋に台風で変形したゲンコツ岩を見てみたかったが、霧が深くシルエットがなんとなく見える程度だった。残念。
8:16 宮之浦岳山頂(10分休憩)。ブドウパンとミルクパン2個ずつで昼食。幸か不幸か、雨風であまり休む気になれない。
8:41 焼野三叉路。本降りになってきた。うひゃー。水冷式エンジン搭載の体質なのでレインコートは着れず、びちょびちょになった服が纏わりついて気持ち悪い。まあ、レインコートを着ても、大汗でびちょびちょになるのでこっちがマシだが。溝になっている登山道は川となって、あちこちに小滝が発生している。
9:17 永田岳の取り付き(12分休憩)。何やら白い物体があるので、近づいてみると丈夫なネットを張った白い包みが無造作に置かれていた。ヘリで運んできた治山資材のようだ。ミルクパンを2個食う。
9:56 永田岳山頂横の峠。ここにも治山資材がある。4年前の夏は、これから先をヘトヘトになりながら降りていって、小屋で一緒になった人と「地図に40分って書いてあるけど絶対嘘だ!」って言い合っていたが、今回すこぶる調子よく進める。ローソク岩展望所付近で数日前崩落した部分があり、通行注意の警告がだされていたが、そこと思える2箇所に折りたたみ式の脚立が設置してあった。これを麓から担いでこられた方、実にご苦労様でした。雨は若干和らいだが、粒のでかい霧が漂っており、眼鏡が曇ってうざったい。登山前にちゃんと曇り止めを塗ってきたが、そんなもの既に役に立たず、道を確認するためにふき取ってみたり、立ち止まって眼鏡外して見たり、と忙しい事この上ない。
10:34 鹿之沢小屋(15分休憩)。雨の治まってきたし小屋の中は薄暗いので、前の広場でブドウパンを2個食ってると、小屋の中から見事な無精ヒゲと胸毛を生やした上半身裸の恰幅のいいオニーサンと清楚そうなオネーサンのカップルが出てきた。なんでも雨が激しいので3日前から収まるのを待っているそうな。こちらが食料を心配してると、ちゃんと存分に持ってきたとの事。長い雨宿りにも関わらず、一見都会派に見えるオネーサンの方も楽しそうで、頼もしそうなダンナ(彼氏?)で良かったね。小屋の裏に周って小鹿之沢の写真を収めたあと、2人に別れを告げる。
11:51 永田岳山頂。山頂標前に立っても周りの景色は霧で何も見えない。
12:15 永田岳の取り付き(5分休憩)。ミルクパンを2個食う。
12:51 焼野三叉路。宮之浦岳へ向かうとどんどん歩みが遅くなる。山頂直前ってこんなにキツかったっけ?
13:18 宮之浦岳山頂。ここまで来れば、あとは下るばかりだ。
13:58 翁岳分岐。相変わらずガスってて元ゲンコツ岩は隠れているが、風が強いため時々シルエットがうっすら見えた。
14:48 投石岩屋。雨宿りをしながらミルクパンを2個食ってると、何やら体長5cmくらいの白黒の鳥が肩のすぐ横に止まった。こっちをじっと眺めているので、試しにパンを差し出してみると逃げていった。
15:14 黒味岳分岐。ここから先は(一応)初心者のコース。ちょっと安心。
15:27 花之江河。霧は相変わらず深い。足元のモウセンゴケを探してみると、おお、いるいる。大物は居なかったけど、直径3cmの放射状に広がったのが密生している。
15:37 小花之江河。ほどほどに満ちた水が、あちこちに盆栽のような小島を作っており、立ち込めた霧が往路よりいい感じだしている。
16:40 淀川歩道橋。夕食の準備をする小屋の人の声と清流にほっと一息して、さあもう一息。
17:32 淀川登山口。延べ13時間半か・・・普通かな? ともあれ、お疲れワシ。
濡れた服を着替え、一息してから車で安房の集落に降りたのは、19時ちょうど。夕暮れの空に虹が出ていて夢の中のような光景だ。
宮之浦の人気の素泊まり宿に着くと、おおいるいる、なじんで住人のようになった宿泊客。顎鬚とポニーテールのやせた青年が、こちらが何も言わないうちにいろいろ説明しだすので「前に泊まった事あるので大丈夫」と言うと、「もしかして○○○○(←宿の名前)出身?」。
何だ、それ? 「いや、別にここで働いていた事は無いけど。」と答えて話しているうち、彼の中でこの宿で連泊した事がある人をそう呼ぶらしい事が分かった。
何でも、会社を辞めた直後に四国八十八ヶ所遍路巡りを1ヶ月行い、終えたそのままの格好で数週間前に屋久島へ辿り着いたらしい。なるほど、ダイニングキッチンのオーナー席にすげ傘と白装束が括り付けてあった。ボヘミア〜ン。今は宿で出会った韓国系従姉妹コンビと意気投合して行動を共にしているらしい。いいねぇ。



【8/1晴:休息日】
昼近くまで寝て、島一周ドライブに行く。
大川の滝近くの以前から気になっていた廃道に寄る。川を横切る橋はまだ健在だが、土砂崩れや密林に隠されようとする道に圧倒された。
西部林道で国割岳を激写し、一湊に辿り着いた頃には夕方近くになっていた。
一湊海岸で道に迷いながらも、これまた以前から気になっていた矢筈神社に寄る。矢筈岳の鞍部にあるお祭り広場(?)にある鳥居が神社への入口らしい。大汗をかきながら急な下り道を下り、岸壁沿いのコンクリート道をたどる事、5分。洞窟に収まるように建てられた休憩所と、その奥に本殿が見える。なかなかいいロケーションだけど、ゴミが漂流しているのが気になる。また大汗をかきながら来た道を引き返し、宮之浦のスーパーで買い物を済ませて宿に戻と19時近くになっていた。
夜も更けると、昨晩のボヘミアンことFちゃんが、近くの民宿で働く若者を引き連れてどんちゃんし始めた。やっぱ、この宿はこうでなくちゃ。



つづく