一湊林道


↑一湊林道のだいたい中間地点:白河バス停から徒歩2時間4分。
一湊林道は割と道幅が広いので視界が暗くなる事は無いが、両脇に木がみっちり生えているので眺望はほぼ無かった。

島の北西の県道を迂回するように高度600m等高線を辿りながら、一湊・白川集落と永田集落を結んでいる林道。
全長13.1km。

両端にはゲートが設置されて一般車両は通行できないようになっており、一湊岳と吉田岳の登山ぐらいで一般人に用は無いのだが、
白川集落の先に延々と続く林道がどうなっているか気になっていたので、北から西へ片道4時間かけて歩いてみた。

蛇行しながら山奥で行き止まりになる他のものと違い、吉田集落を挟んでストレートに二つの集落を結ぶ林道で、
間に観光名所や公共施設もなく話題にも上がらず単に昔の生活道路の名残だと思っていたが、
国土国交省の航空写真から推測するに1970年頃に山を切り開いて新造された森林伐採用道路らしい。
麓住民の不安をよそに羊の毛を刈り取るような伐採を続けていたところ、1979年9月30日に土面川で土石流災害が発生。
1980年代の損害賠償裁判を経て、現在は治山用の道路となっているようだ。
(参照:津田邦弘著『屋久杉が消えた谷』)

永田側が『平瀬林道』と呼ばれていた時期もあった
(1993年板昭文社「山と高原地図 屋久島・種子島」)



林道の入口(一湊側)

↑一湊側入口:0分目。町道の白河バス停からスタート。



↑白川集落:30分目。森の中のぐねぐね道を通って、屋久島で唯一山奥にある集落である白川(白川山)に到着
いつもは車で登るけれど、徒歩だと意外に時間が掛かかるもんだ。



↑一湊側のゲート:50分目。白川集落を10分強で通り抜け、ダート道を歩み始めて暫くで車止めゲート出現。



林道の途中(一湊側)

↑一湊岳登山ルート分岐:1時間10分目。
左の脇道を進むと途中に一湊岳登山口がある分岐で、右が本道。
脇にはレールも捨てられており、少しの間トロッコが使われていた時期があったかも。



↑谷を渡る橋:1時間25分目。
一湊林道は複数の谷を横切っており、トラックや重機が渡れるようしっかりした橋がある。



↑貴重な眺望ポイント:1時間40分目。
1980年代まではあちこち刈り取られたり元々樹木が低かったりでパッカーンと眺望があったと思うが、
今の一湊林道はほどんど高い緑の壁に挟まれている。
観光施設じゃないのでそれで良いのだが、まあ散歩感覚で来たワシとしては嬉しい見晴らし。



↑突如現れた急高配:1時間45分目。
切り立った路肩にぐーんと上がる細い道。ザ・山道っぽい瞬間。



↑崩壊箇所出現:2時間00分目。
一湊と永田を結ぶこの林道のちょうど中間地点。

大きな岩が転がっていたり、写真ような大木が倒れていたり。
最近車が通っていない証だが、通るのは重機なのでこの程度だとちょちょいと避けてしまうんだろうな。。



林道の途中(永田側)


↑苔がセンターラインを作る道:2時間10分目:
おお、なんか、解放感あふれる道がでてきた。。



↑吉田岳登山口:2時間15分目。
中央左の白い道標からは左の森を登って行くと、吉田岳へ。



↑地図には無い分岐:2時間20分目。
山奥で予想外に現れた分岐点。さっきまで歩いてきた道と同じ砂利道と立派なコンクリート道。
コンクリート道に進むべきか迷ったが、地図上ではまだ曲がる道は無い。
使用感もあるしと左に進んで正解だったが、右は砂防ダム工事用のようだ。



↑まだ幼い森?:2時間30分目。
永田側に入ってしばらくして、割と最近まで重機が横断して更地だったような木立の低い森が現れた。



↑待機中のユンボ:2時間35分目:
道が広くてがっしりしてきたなぁと思っていたら、デポされた巨大パワーショベルが。
更に進むと、一湊側と相変わって、猪のヌタ場のようにドロドロになったキャタピラの跡のある泥道も出て来た。



↑ゲート付の橋:2時間50分目
何やら橋が出て来たなと思ったら永田側のゲートも付いていた。
永田側は結構山奥まで一般車も入れるようだ。




↑ゲート付の橋:2時間50分目:
これから上の写真の橋を渡りまーす。



↑ゲート手前の広場:3時間00分目
上の写真の橋を越えた先にはO字型の広場が現れた。治山作業中には多くの工事車両がここに並ぶのかな?
作業中でなければ吉田岳登山の駐車場で隅っこに止めさせて貰えそうだけど、どうだろう?




林道の入口(永田側)



↑整備されたダート道:3時間15分目
最近整地したのか、こまめにメンテナンスしているのか、
ゲートを越えた辺りから車が通りやすい未舗装道となった。



↑奥の細道:3時間20分目
車一台分の長ーいコンクリ舗装道が始まった。

頻繁に利用されているのか、裏山林道にありがちな
道路脇ヤブや落ち葉じゅうたんも無く、掃除したてのようにきれい。。


巨大砂防ダム



↑土面川の砂防ダム(スリットダム)登場:3時間25分目:
淡々とした山歩きの終盤に突如現れた、宇宙人の遺物のような巨大人工物!
足元を見ると沈下橋だし(次写真参照)、事故現場を見ているような戦慄が走る




↑土面川を横切る沈下橋(潜水橋):3時間25分目。
下りて来た道を振り返ったところ。
一見コンクリートの土手道だが、雨が降ると荒れ狂う川の水が乗り越えて
流れていけるように低く作られたずんぐりむっくりな橋。

平穏時の川の水は、写真右奥に見えるような巨大パイプを通って下流側に流れる。



↑砂防指定地の案内板:3時間25分目。
この一帯にはスリットダムが4基あるようだ。



↑道の脇に見える砂防ダム:3時間20分目。
土面川沿いの林道を歩いていると、巨大ビルのよう大きさのスリットダム頭部がチラチラ見える。
違和感ありすぎて怖い怖い。なんだろうな、この恐怖感。



林道の入口(永田側)



↑暗い杉林の一直線コンクリ道:3時間40分目:
土面川沿いに続いていた道は、一旦深い杉林に入って暫し暗い山行。車幅は車1台ギリギリ。



↑里への道:3時間50分目
柑橘畑も通り過ぎて生活圏に入ったし、ゴールまでもう少し。



↑一湊林道入口(永田側)到着:3時間55分目。
浄水場と公民館も通り過ぎたら、観光客向け案内板のある集落道に合流。
このままもうちょっと県道までGO。




↑県道78号線到着:4時間5分目。
一湊林道の延長道をテクテク下って向江の海岸へ到着。
後は、田舎浜停留所でバスに乗って白河停留所へ戻って、ワシお疲れ。



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